ここでは、実際に現役看護師として働く私が、「50代のリアルな転職事情」についてお話しします。
ネットには看護師でもない人が、看護師のように語る記事が多いですが、こちらは実際に看護師として転職を実体験しているので、参考になること多いと思います。
50代看護師は転職が難しいのか?
この問いの答えは簡単です。
しっかりとした方法で探せば、50代でも転職は見つかります。
しかし、適当な探し方をすると、50代は転職失敗のリスクもありますので、注意してください。
50代看護師でも転職需要がある4つの理由
1.看護業界はもともと転職が盛んなため
一つ目の理由は、看護師の転職自体が珍しいものではないからです。
一般的に企業は50代までに3回程度に対して、看護師は50代までに平均4~5回の転職をすると言われています。
理由として、看護師は女性が活躍している職種であり、出産、育児などのライフサイクルの変化によって、転職回数が多いと言われています。
その為、看護師にとって中途採用といったことは、全く珍しいものではないのです。
2.慢性的な看護師不足
新型コロナのニュースでご存知かと思いますが、看護師は慢性的に人が足りていません。
ベッド数自体はあっても、看護師がいないので、必要なサービスを提供できない病院もあります。
また看護師不足のため、病院や施設は人員基準を満たすために、高いお金を払って派遣を雇っているほどです。
こうしたこともあり、高い看護知識・技術を誇る50代看護師は、病院側にとって単なる穴埋めではなく、必要人材となります。
3.空気が読めて波風を立てない
長年病院などに勤めていた50代の看護師は、病院特有のどろどろした人間関係を乗り切って仕事を続けてきました。
これは病棟の空気を乱さずに流れに乗れることを意味します。
どこの病院に勤めていてもそうですが、空気を乱すほど波風を立てるような人とは仕事を一緒にしたくないものです。
50代の看護師は、我関せずに黙々と仕事を続けることができます。
4.経験が豊富で、どんな流れにも乗れるため
病院は日によって業務の量や忙しさも違います。
ベテラン看護師はこうした戦場のような日々を何年も乗り越えています。
その為、ちょっとしたことでは動揺しないで、適切に対処できます。
こうしたことから知識・経験豊富な50代看護師というのは常に必要とされる人材となります。
こんな50代看護師はいらない。?病院の本音とは。?
仕事ができない
これは、どの世代でも「いらない」といえるでしょうが、看護師としてのキャリアがあっても、仕事ができないと衝撃度は高いです。
仕事とは、患者のアセスメントや採血、処置などの基本的看護技術や知識などです。
雇う側は、50代で転職してくる看護師に対して、「それなりに仕事ができる」と思っています。
キャリアの少ない看護師は別にして、キャリアがあっても、看護師としての知識・技術が薄すぎると、病院側としては落胆してしまいます。
在職スパンが短く転職回数が多い
転職が多いことが悪なのではありません。
ただ転職スパンが短く、転職回数が多いと、採用者は「人間的に何か問題があるのでは?」といった疑念を生みます。
勿論、しっかりとした転職理由があって、それを根拠立てて説明できれば問題ありません。
しかしそれを伝えられない場合、採用を見送られることがあります。
これは、50代であろうが、20代であろうが、同じです。
基本的に看護師は転職が珍しくない職種であり、採用者側もそれを理解しています。
しかし一般に20代で3回以上、30代で4回以上、40代で5回以上の看護師の転職は、多いと判断されます。
そのため、転職時は、しっかりとした転職理由を用意しておくことをおすすめします。
在職スパンが短く、転職回数が多い場合、決してプラスにはならないことを理解してください。
プライドが高すぎる
50代看護師は長い人では30年以上看護師として働いていることになります。
一つの仕事に就く時間が長いとプライドもそれだけ高くなります。
しかし転職時というものは時として新人と同じような扱いをされることがあります。
こういった時に、自尊心から反発するような看護師は求人先は必要ありません。
常に謙虚な姿勢で仕事を続けられる看護師を必要としています。
専門家気どりで上から目線
求人側にとって、一先ず欲しいのは現状の人材不足を補える即戦力であることが多いです。
これは50代の看護師にとっても変わりはありません。
むしろ高い人件費を払って雇うのですから、病院側にとって、それ相応の働きをしてもらわないと割にあいません。
それなのに「こんな時代遅れの処置をしているのか」「ここは変えたほうがいい」など不満を述べてくる看護師は嫌がられます。
転職者は、まずは「郷に入っては郷に従え」の精神を忘れてはなりません。
休みがち
病院にとって何より困るのは、急な休みです。
看護師は常に必要最低限の人数しか確保されていないため、急に休まれると、その日の勤務の看護師に業務が全て降りかかってきます。
「今日は看護師の○○さんが休んだので、今日のオペは中止になります。」みたいになりませんよね?
代わりに誰かがオペの対応をするんです。
だからこそ休みがちの人は、病院側としても計算に入れずづらく、雇いづらいです。
50代看護師が気づかない間に得ている強みとは?
視野が広く、潤滑油のような働きができる。
50代の看護師は、20代の看護師に比べて経験豊富であり、業務が慌ただしくても早々慌てません。
また業務への戸惑いも少なく、視野が広いため、周りを手伝うこともできるので、病棟の潤滑油としての活躍もできます。
これは20代のような若い看護師にはできない配慮といえます。
緊急時取り乱さない。
看護師経験の長い40~50代の看護師は、今まで様々な緊急対応を経験していることもあり、簡単には動揺しません。
そのため、緊急時も焦らずに適切な対応を行うことができます。
これは長いキャリアによって培われた頼れる武器となります。
模範となれる。
50代の看護師は、長年看護師として働いていることもあり、看護の知識や技術は高いレベルをもっています。
また患者・家族への対応に関しても配慮が効いて、病院の経費に関しても考えて行動ができます。
病院のモノだからと何でもかんでも無駄使いしてしまうことがありません。
忙しさからつい処置が雑になったり、配慮に欠けた言葉使いをしてしまうこともありません。
こういった対応ができる50代看護師は看護師の模範となります。
50代の転職活動で注意しなければならない4つのポイント
体力面を考えて診療科を選ぶ
50代は、気持ちはまだまだ若い方も多くいますが、身体に関しては、痛い箇所がいくつも出てくるものです。
特に膝や腰などの関節痛が多く出てきます。
また多くの50代は、更年期症状(肩こりや易疲労感、火照り、頭痛、精神的ストレス)にも悩まされます。
こういった心身の問題が出てくるのが50代の特徴であることから、あまりハードな職場は避けるべきでしょう。
給料が下がることも考える
看護師は40代から50代が一番給料が高い時期でもあります。
逆にとらえると、求人先はそれだけ多くの給料をあなたへ支払わなければならないことになります。
その為、転職をすることで、今までの給料より下がってしまうということも考えなければなりません。
こうしたことを防ぐには、自分の持っている専門資格や経験をもとに病院側と直接給与交渉をしたり、役職などついている方は、役職付きの転職を探したりすることで、給料低下を防ぐことができます。
休暇がしっかりある
先ほども述べましたが、50代は心身両面において、低下が見られる時期でもあります。
こうした時期は、休みの日などはしっかり休まないと、どんどん疲労が溜まり、身体を壊してしまいます。
こうなると、働くどころではなくなってしまうので、残業がなく、休みの多い職場などを選ぶようにしましょう。
クリニックや精神病院、社会福祉施設など休みがしっかり確保できそうなところも視野に入れて探してみると良いでしょう。
人間関係の悪い職場は避ける
50代は、若い世代に比べて、人間関係のトラブルに巻き込まれることは少ないです。
しかしそれを傍で見ながら、働くのは気持ちが良いものではありません。
人間関係の良し悪しは、本人の主観もあることから、実際に働かないとわからないものです。
しかし病院によっては、入職前に見学ができたり、転職サイトのエージェントを利用して情報を得ることができるので、うまく活用して気持ちの良い職場へ転職するようにしてください。
早期退職による転職は注意。
早期退職というのは、採用者側から見ると、あまり良い印象をもたれません。そこに50代というのが加わると更にマイナスです。
当然、しっかりとした退職理由があれば理解も得られますが、それも説明できなく、転職回数も多いとなってくると、採用通知を得ることは難しくなるでしょう。
早期退職での転職活動の際は、しっかり退職理由を説明できるようにしてから、転職活動をするようにしてください。
また次の職場では、早期退職のないように、事前の見学や転職サイトなどを利用しての内部情報を得て、万全の態勢を整えてから転職するようにしてください。
早期退職しないために知っておくべき看護師の退職理由
下記は「医療連」の33,000件の「仕事を辞めたいと思う理由」のアンケート結果になります。
*出典:「医労連」による2017年看護職員の労働実態調査結果報告より抜粋
どうでしょうか?
実際に看護師として働いている方のアンケート結果となります。
これら退職理由を考慮した転職活動をすることで、より良い転職をすることができます。
50代看護師が転職を成功させるためにすること
看護師の転職については
- 個人で行う
- ハローワークを利用する
- 転職サイトを利用する
3つの形がありますが、50代の転職においては圧倒的に転職サイトが有用です。
50代の転職サイト利用がおすすめな理由。
効率的な転職活動ができる
自己にて転職活動を進めていくと、限りある求人数の中から、給与や休日の選択もできないまま、選択していかないとなりません。
そして転職に向けての、履歴書作成や面接対策など膨大な時間が掛かってしまいます。
また目的の求人先に落ちた場合、また振り出しに戻って同じ作業をしなければなりません。
これは非常に非効率的であり、時間がもったいないです。
転職サイトでは、求人紹介から履歴書作成、面接対策、相談、給与交渉など転職に要する全てのことを無料で手伝ってくれます。
これは転職活動をしていく上で非常に助かります。
エージェントがつく
まず何よりお仕事紹介に際し、あなた専属のエージェントがつきます。
エージェントはあなたが望む仕事へ就けるように、面接対策、お仕事紹介、職場との交渉、お悩み相談など、幅広く対応してくれます。
個人でも転職活動は当然行えますが、転職サイトを利用した方が、圧倒的に効率的で最大の効果(納得いくお仕事)を得られます。
50代での転職においては、健康状態や家庭環境によって働き方が変わってくる為、キャリアアドバイザー(エージェント)がつくことは非常に強い武器となります。
病院の内情を知ることができる
転職サイトは数々の病院や施設と提携しており、個人では知ることの難しい病院内の情報などを沢山もっています。
転職サイトを利用すると、求人先のこうした内部情報を事前に知ることができるので、入職後の失敗が格段に減ります。
50代の転職は、そう何度も転職をできる年齢ではないため、病院の内情を知れることは、病院選びにおいてとても有利になります。
求人の多さ
看護師転職サイトをすすめる大きな理由の一つに求人数の多さがあげられます。
多いところだと、10万件を超える求人数を誇る転職サイトもあります。
これだけの膨大な数の求人数から探せば、まず満足のいく求人先が見つかるでしょう。
50代になると、求人数は徐々に減ってくるので、求人数の多い転職サイトは、それだけ選択肢を示してくれるので、非常に助かります。
50代求人はこの年齢制限に掛かっている求人が多いのも事実です。こうしたことは実際にわかるものではないので、転職する上で非常に厄介な問題となります。転職サイトでは、こうした情報を得ているので、年齢制限のない求人を紹介してくれるので、非常に助かります。
気持ちの問題というより、そういった求人がほぼないのが現状だからです。それでも新しい仕事へチャレンジしたいという方は、転職サイトを利用して探してもらいましょう。
求人の質
転職サイトは数多くの求人先がある半面、その質を疑ってしまいますよね。?
しかし転職サイトへの掲載に対し、求人側(病院など)は転職サイトのスクリーニングを受けています。
そのため、どこかもわからぬ怪しげな求人が載ることはありません。
また転職サイトへの掲載は有料であることから、変な会社は寄ってきません。
ちなみにハローワークへの求人掲載は無料であり、ブラックな会社も良く紛れています。
転職において、事前にスクリーニングを受けている会社から仕事を探せるというのは、利用者にとって非常に助かります。
50代におすすめな転職サイト3選は?
もっと沢山の転職サイトから転職先を探したいという50代の看護師さんは以下の記事も御覧ください。
きっとあなたにあった転職サイトを見つけることができると思います。