「転職して給料をあげたい!」
「前から興味のある脳神経外科に転職したい!」
転職理由はひとそれぞれ沢山ありますが、
この二つの希望を聞いて、どちらがよい転職かわかりますか?
さっそく答えを言いますと、
「前から興味のある脳神経外科に転職したい!」となります。
なぜ給料を求めてはいけないのでしょうか?
その理由を説明する前にまず良い転職の中身とは
「より成長欲求を刺激し満たしてくれる環境へ移ること」
です。
簡単に言うと
「わくわくする職場へ移ること」
です。
だから「前から興味のある脳神経外科に転職したい!」が良い転職であり、
「転職して給料をあげたい!」は悪い転職となります。
でも、、、
なぜ給料あげたい転職はダメなの?
これについてさっそく説明していきたいと思います。
悪い転職とは3つあります。
なんとなく給料だけを目的に転職
給料に不満をもっても、給料だけで転職を決めるのはあまりよくありません。
子供の受験や親の入院費用など、「明確な稼ぐ目的」があるのなら問題はありません。
強い目的は困難も乗り越えられますので。
でも差し迫った理由もなく、単に高給与だけに釣られて転職するのはおすすめできません。
お金の不満を満たしても、それを超える不満が噴出してくる可能性があるからです。
特に会社との価値観の違いや人間関係の摩擦は、高給与の病院・施設で起こりやすいです。
得てして高給与をくれる職場というのは、利益至上主義のワンマン経営や人員不足が顕著です。
人員不足で病棟がパンクしてても、利益を考えてバンバン入院をとったりします。
そしてそれに逆らえないムードがあります。
こうした病院はワンマン社長のトップダウンの構造が強いからです。
そんな環境では人間関係だってまともに形成されません。
「少しの給料アップを目的に、今より精神的・肉体的にきつい仕事をしていく勇気はありますか?」
もちろん直ぐに退職して新しい転職先をまた探せばいいと思うかもしれません。
確かに看護師はいくらでも仕事は見つかります。
それは否定しません。
でも考えてみてください。
仕事は見つかっても、そう簡単に高給与の職場は見つかりません。
そして何より問題となるのは、
前の職場のトラウマにより、次の転職ではいままでより職場環境や人間関係も気にするようになってしまうことです。
こうなると転職のハードルがぐっと上がります。
高給与、良好な職場環境に人間関係。
こんなのそう簡単には見つかりません。
仮にあっても、そうした職場は高倍率です。
転職して直ぐに早期退職の人間が勝てるはずありません。
そして今度は今までより条件を下げて転職を探していく。
こうなるともともと求めていた給料すら下がってしまう可能性があります。
そして何より自分のやる気も削がれ、一番大切な自信を失います。
これが高給与だけを目的にした人の最悪の末路です。
転職が負のスパイラルの入り口になってしまっている悪い例です。
だから
とはいえ、高給与の獲得はちょっとした人間関係のいざこざくらいなら我慢できるのも事実です。
自分のストレス耐性を考えた上で、どうすべきか考えてください。
前と同じレベルの診療科へ転職
これもあまりおすすめできません。
それは看護師として成長できる幅が期待できないからです。
同じ診療科でも「前より最先端医療を導入してる」「前より患者に関われる」といった自分なりの伸びしろが描けているならいいかもしれません。
でも前と同じような雰囲気の診療科だと学べることは少ないです。
これではせっかくの転職を生かしてるとはいえずもったいないです。
転職は自分の能力の幅を広げる形で利用した方が、後々の自分に生きてきます。
ハナから病院だけで転職を探す
これも少々もったいないです。
前より先進的な病院や働きたい病院があるのなら反対はありません。
ただ、そういった理由もなく、「とにかく病院で働かなければ」という考え方はもったいないと思います。
先程もいいましたが、医療業界は様々なサービスを提供しています。
働き場所は病院だけではありません。
高齢者施設だって訪問看護だってあげればきりがないほどあります。
患者はいつも病院にいるわけではありません。
『慢性疾患と付き合いながら、自分らしく生きたいと願う施設入居者への看護』
『物品はないが、自宅という慣れ親しんだ環境で生きたいと願う患者への看護』
一つの病院だけでは学べないことは沢山あります。
だから、はじめから病院という狭い枠で働き口を探すのでは良い転職とはいえません。
では良い転職とはどういった転職なのか?
良い転職とは2つあります。
① 成長欲求を満たすもの
「より成長欲求を刺激し満たしてくれる環境へ移ること」が良い転職と伝えましたが、これについてもう少し細かく説明いたします。
人の欲求は二つの側面でとらえることができると調査から米国の心理学者ハーズバーグはいいました。
二つの側面とは、動機づけ要因と衛生要因です。
動機づけ要因とは、職務の満足感は承認や仕事そのものの面白さ、達成感や責任、昇進など仕事から得られる成長欲求のことです。
仕事の満足感
- 仕事が面白い
- 達成感がある
- 責任感をもてる
- 昇進する
成長欲求を満たす!
人はこの動機づけ要因により仕事への満足感を強く満たしています。
高給与や人間関係の円滑さより、成長欲求の方が仕事への満足度を高めるということです。
人が仕事で欲求を満たすには
仕事の面白さや仕事から得られる達成感、責任、昇進などの成長欲求が大切
マズローでいう自己実現欲求や承認欲求を満たすことが仕事で満足していく要因といえます。
しかし仕事に対して不満をもつ人たちは、動機づけ要因が理由ではなく、会社の政策・経営、監督技術、給与、対人関係(上司)、作業条件といった衛生要因が原因というデータがでています。
仕事で不満を抱く理由
- 会社の方針
- 上司の能力
- 給与
- 対人関係
- 福利厚生
- 労働条件
強い退職理由!
ここから言えることは、多くの人が退職する理由は、「仕事がつまらない」「仕事に達成感を感じない」というわけではない、ということです。
「動機づけ要因が満たされないことが退職の理由とはならない」ということです。
多くの人の退職理由は衛生要因が理由となっています。
衛生要因は取り除いても、一時的には満足しても、しばらくするとまた似たような不満をもつことが特徴です。
だからこそ、転職においては、衛生要因に目を向けるのではなく、成長欲求を満たせるような職場へ転職することが良い転職といえます。
またこの成長欲求を満たしていくには、ポジティブな考え方が効果的だといえます。
② キャリアの幅を拡げる(転職掛け算)
もう一つは未経験の仕事をすることによるキャリアの相乗効果を狙うものです。
これはある意味無敵の看護師をつくることができます。
例えば病院ー施設ー訪問などを渡り歩く形です。
この流れを踏むと、予防から疾病、在宅復帰までの一連の関わり方を知ることができます。
これは別業種だと更に効果を発揮します。
例えば、フリーライターやコンサルタントなどと看護系もフィットします。
勿論それ相応の「エイや」の気持ちは必要ですが、看護師経験を生かしたライティングや医療系コンサルなど様々な形で生き抜くことができます。
美容クリニックもその一種で生まれたものといえます。
自分の経験値を得ながら、看護師としてのキャリアも拡大できる転職は良い転職といえます。
まとめ
以上が良い転職と悪い転職です。
総じていうと、『良い転職とは、前向きな気持ちで仕事ができて、看護師としての能力向上、キャリアアップが狙える転職』です。
反対に『悪い転職とは、目先の給料や人間関係だけをみて、能力アップや経験が積めない転職』です。
これから転職を考えている看護師さんは、いま一度『自分はどういう看護師になりたいのか』を考えて、転職活動をするべきです。
そのほうが、きっと満足する転職先に就くことができます。
わくわくする仕事が見つかるように応援しています。