派遣看護師として働くことで生じる悩みは何かわかりますか?
派遣会社を利用して派遣社員として働こうとすると、意外と知らないことが多く、抱える問題もわかりません。
ここでは派遣看護師として渡り歩くことで生じた悩みなどをいくつか取り上げていきたいと思います。
派遣看護師の悩み【常勤(正社員)との違い編】
1.社会保険に入れないことがある
派遣看護師として働く場合、2ヵ月を超える雇用形態でないと社会保険(厚生年金や健康保険など)に加入ができません。
単発や2ヶ月未満の短い期間での仕事では、国民健康保険、国民年金が適用となってしまいます。
こうなると将来もらえる年金額が減ったり、休業補償も受けることができません。(国民健康保険では休業補償「傷病手当」がないため)
これは派遣看護師として働く場合、常に健康に気を付ける必要があり、注意が必要です。
また場合によって、社会保険より、支払い金額があがることもあります。
対策
- 自身で休業保障のある保険に加入するなど自分の身は自分で守る必要があります。
- 勤めるときは、2か月を超える派遣契約で勤めるようにする。(社会保険に加入できるため)
*今年話題の新型コロナウイルス感染症においては、健康保険同様に国民年加入者にも傷病手当が支給されることになりました。
2.社会保険(厚生年金)が途切れてしまうことがある
派遣看護師というのは、派遣から派遣といった雇用形態が多いです。
その為、派遣と派遣の間が空いてしまうこともままあります。
この派遣と派遣の間が一か月以上空いてしまうと、社会保険から外れてしまいます。(国民健康保険と国民年金の適応になってしまう)
こういったことが続くと、将来もらえる年金額が少なくなってしまう恐れがあります。
派遣生活が長いとこうした将来的なことについても考えておかなくてはなりません。
対策
- 派遣と派遣の間は一か月空けない。
- 老後を考えて働いていかないとならない。
3.退職金がない
派遣看護師は定期的に職場を移動する働き方なので、退職金とは無縁です。
退職金の額は会社によって全然違いますが、国立病院などの場合、20年以上勤務すれば1000万前後は貰えるようです。
退職したときに、この退職金を貰える貰えないでは、将来設計も気持ちの余裕も全然違います。
老後の資金は夫婦だと3000万近く、シングルでも2000万近く必要だと言われています。
退職金だけをあてにする生き方も危険ですが、退職金が0というのは、ずっと健康で働き続けなければならない為、過酷になります。
このように退職金のない派遣看護師という働き方は、将来的なリスクがあるということを理解して働いていく必要があります。
対策
- 老後を見据えて、貯金や投資などプランニングしていく必要がある。
4.社会的信用を得られない
看護師自体はとても社会的信用のある職種です。
一般のサラリーマンより、信用度は高い専門職種といえます。
しかし派遣看護師は一定の期間で職場を転々とするケースが多いので、病院勤めの常勤(正社員)看護師転職に比べて社会的信用といったものは得られづらいです。
社会的信用がないと家のローンを組む時や、クレジットカードを作成したいときなどで不利になることがあります。
対策
- 大きなローンを考えているときは、常勤として働くことも視野にいれる!
派遣看護師の悩み【勤務先から求められる編】
1.派遣先の病院と自身の看護観にギャップがあっても沈黙しなければならない
業務内容は病院によって違うことが多く、手技一つにとっても、それぞれ病院独自のやり方があります。
派遣看護師として慣れてくると、沢山の派遣先でいろいろなやり方を見てきたことから、より良いやり方を知ってたり、医療的に正しいやり方を伝えたくなる時があります。
しかしそういった時でも、病院側や相手が真にそれを求めていない限り伝えてはいけません。
病院側は派遣で勤めるあなたに業務改善の変革者になってほしいのではなく、穴埋めになってもらいたいだけだからです。
つい自分の看護観から間違っていることなど指摘したくなりますが、その病院にはその病院なりの培ってきた考え方や方針がある為、良かれと思ってつい指摘をすると一気に現場で働き辛くなります。
自分の考えや知識がエビデンス的に正しいとしても、お互いの信頼関係ができていないと、その言葉は相手に届きづらいです。
そもそも意見を伝えて病院を変えたいのなら、派遣という半ば部外者の形を辞めないと駄目でしょう。こうしたことから、病院と派遣者の間の看護観のギャップに悩む人は多いです。
2.直ぐに独り立ちさせられる
病院が派遣看護師を募集するケースは人員の一時的な補充が主なので、当然人員の少ない厳しい現場へ派遣されるものです。
派遣看護師もそれは覚悟しています。
しかし忙しい現場では、そこで働く他のスタッフも当然忙しい為、派遣スタッフへの病棟説明などの一般的な情報伝達がおざなりな場合があります。
すると知識や技術があっても、業務の流れや物品置き場などのほんとに基本的なことがわからず、毎回スタッフへ聞くことになり、「まだそんなこともわからないのか」といった表情をされることもあり、苦労します。
派遣で入ったばかりの時は、業務のながれや物品の場所など絶対にメモをとっておくことをお勧めします。
そして入職2週間くらいの間にわからないことはできるだけ聞いておきましょう!
1か月も過ぎると、中には「まだ知らないの?」的な言葉を投げかけてくる看護師もいますので。。。
3.幅広い知識・技術をもとめられる
派遣看護師で勤める場合、自分の得意な診療科で勤めることができますが、時に人員不足など病院側の都合で、急遽、経験のない診療科へ配属されることがあります。
そういった場合でも現場では即戦力としての働きを求められるので、配属された診療科の知識や技術もしっかり得る努力を怠ってはいけません。
何より、患者自身へ跳ね返ることもあるので、経験のない診療科へ派遣されたときは、できるだけ急いで知識・技術を身につけましょう。
派遣看護師でいることでの実際の悩み
東京都:山田 花子(28歳・女性)
私も一般病院の正社員を退職した後、ずっと(1年以上)派遣で働いています。派遣中は、高給与や派遣終了後から新しく派遣契約するまでのインターバルの期間を自由に使えり、何より病院という組織に所属していないという心の身軽さというものを感じ、このまま一生派遣でも良いという気持ちでいました。
ただ現在、ある病院へ派遣でいっているのですが、看護師長さんがとても良い方で、正社員になることを勧められ、私ももう少し長く勤めたいという思いもあり、派遣から正社員へ切り替えようか悩み中です。
東京都:加藤 健太郎(35歳・男性)
私は急性期病棟を経験した後、もう少しゆったりと仕事をしたいと思い、退職して派遣で勤めていました。派遣の魅力はやっぱり全てにおいて自由を感じれたこと。組織に縛られないって最高です。派遣は給料も良いから最高でした。反面、自分の看護観と違う場面が多々あっても、派遣の立場上、発言を控えたりして悩む場面もありました。また退職金がでなかったり、社会的信用を得られないということがネックであり、このまま派遣社員としてやっていくべきか迷っています。。。





このように派遣社員でいると、様々な葛藤もあり、派遣には派遣のメリット・デメリットがあります。
ただ派遣看護師は健康でいることが最低条件です。
働けなくなると休業補償を受けれず、ほんとに収入が0になってしまうことがあります。
以上から派遣看護師として働くには
- 健康に自信がある人【できれば健康でいられる時間の長い若い時期】
- 将来への不安がない人または既に将来への手を打ってる人
この二つが派遣看護師として働いていける条件といえるでしょう。
この条件に不安がある方は、一度常勤に戻ることも考えて良いと思います。
また看護師としてのキャリアも浅い方は以下の記事も読んでもらえると良いと役に立つと思います。
ここからは常勤で勤める際に、お勧めの転職サイトをランキング形式で紹介しています。
「常勤に一度戻ってみるか」といった派遣看護師さんへ、おすすめのお仕事を紹介しています。
ぜひ参考にしていただけたらと思います。
常勤看護師におすすめの看護師転職サイトランキング!
派遣なら一度は応援看護師もおすすめ!
まだもう少し派遣看護師を続けていきたいと思っている方には、高給与の転職派遣サイトを紹介しておきます。
こちらは医療WORKERによる応援看護師になります。
応援看護師とは産休などで一時的に人手が不足している病院に、短期間・高収入で勤務する制度です。
憧れの土地で働いてみたいけど、いきなりの転職は不安という方にもおすすめとなっています。
特徴としては以下になっています。
★高収入(月収40~50万円以上)★3~6ヶ月の期間限定勤務(更新可能)★社会保険へ加入できる(3か月以上の派遣形態のため)
★家具家電付き個人寮完備(テレビから洗濯機まで全て揃っています)
★引っ越し代赴任費用支給(病院側が負担)
★期間終了後の働き方は多種多様(期間の延長、契約終了、その病院での正社員契約など)
このサイトのお勧めは、ずばり紹介予定派遣という期間限定による契約になります。
紹介予定派遣は基本6か月の契約であり、最高3年間までは同じ職場で続けることができる制度になります。
求人先は「派遣のあとは常勤へ」といったことを期待しての高給与派遣となりますので、何度も「そろそろ正社員になりませんか?」というお誘いを受けることがあると思います。
売りは上記にある通り、高い給料です。紹介予定派遣は一定のナースとしての経験が必要になりますが、それを満たしている方にはお勧めの制度です。
是非、次の派遣看護師として働く際には検討してみては如何でしょうか?