元介護士・現看護師である私が介護施設(特に老人ホーム)で長く勤めるための秘訣をこっそりお教えします。

介護施設に興味があるけど、病院以外はよくわからない。。。

介護施設でうまくやっていきたい。

といった看護師さんへ向けて、介護士歴10年超えの私(現在看護師9年目)が、介護士の時の経験をもとに、介護施設で働く上で「こんな看護師は嫌われる!」といった看護師像を紹介致します。

どんなところに勤めていようが、嫌われるよりは好かれる方が仕事は楽しく関われるので、参考にしてもらえたらと思います。

 

「こんな看護師は嫌われる!?」注意しなければいけない看護師の行動4つ!

介護士の話を聞かないで下剤を盛る

看護師は便秘3日目などある一定の日数排便が見られないと、イレウスなどのリスクを考えて、下剤を盛りたがります。

職業病といえます。

介護士が下痢になっているといっても、杓子定規に頷いて下剤を用いてまた下痢をさせる看護師もいます。

もちろん排便が出ないリスクはわかります。しかしそれによって全更衣するほどの便まみれになっても、検討もせずに何度も同じことを繰り返す看護師は介護士から嫌われます。

当然ですが、利用者の排便ペース、腹部症状などをしっかり確認したうえで、個人個人にあったケアをしないといけません。

そうでないと看護師としてどうかと思いますし、介護士からも確実に嫌われてしまいます。

 

介護士に言うだけで何もしない

利用者の部屋から出てきて「便出てそうだよ」と介護士へ投げかけて居なくなる看護師さんがいます。

こういった態度を介護士に向けると、介護士から当然嫌われます。

「出てそう」とは確認したのか?自分で変えようとは微塵も思わないのか?労いの言葉一つも掛けれないのか?

看護師が投げかける言葉が悪いと、介護士はこのような不満を抱いて仕事をすることになります。

そして瞬く間にこうした態度は伝播します。

そして協力してくれなくなってしまいます。

 

常に自分が正しいと思って指摘してくる

理論武装された看護師の中には、常に自分が正しいと思って、介護士へ強く指摘してくる人がいます。

介護側の話を聞かないで一方的にずっと指摘ばかりしていると、「口うるさくて言い方が上から目線でものをいってくる看護師」として捉えられてしまいます。

こういった看護師は当然介護士から近寄りづらい存在となるので、情報も記録でしか得られなくなり孤立していきます。

相手の気持ちを考えたうえで指摘し、相手の考え方もしっかり聞けるような良好な関係を築くことが求められます。

 

ヒエラルキーを示してくる

「看護師は介護士より上」この考え方をもった看護師は間違いなく嫌われます。

看護師の方が介護士より医療に近い行為を行えるためかわかりませんが、看護師の中には明らかに介護士より偉いと思って顎で使う人がいます。

看護師資格の定義に、「看護師は介護士より偉い」なんて記載されていないのに勝手にヒエラルキーを設定しています。

そもそも医者であろうと介護士より偉いというわけではありません。

医者には医者の役割、看護師には看護師としての役割、介護士には介護士としての役割があるだけです。

そこに偉い偉くないとかそんな決め事はありません。

そのため、この役割の違いを人間的に上だの下だのといった解釈をしてしまう看護師さんは嫌われます。

 

 

以上のように介護士の方が多い職場では、看護師の態度如何によっては仕事がやりやすくもやりづらくもなります。

このように書くと介護施設は働きづらいと思ってしまうかもしれませんが、働いていた身として個人的に言わせてもらうと、病院より確実に過ごしやすい職場です。

次に看護師の活躍できる職場を紹介していきたいと思います。

看護師の活躍できる介護施設とは!?

特別養護老人ホーム(特養)

介護保険施設の一つであり、利用者が有料老人ホームに比べて低料金で生活できるのが特徴です。

ただ低料金であることから利用希望者が多く、郊外などだと入居までに数年掛かることもあります。

主に介護保険における要介護3以上の利用者が利用している施設となります。

要介護3の利用者は身の回りのこと(食事、排泄、入浴、着替えなど)が一人でできないレベルであること。

また認知症などにより理解力の低下が見られる状態のことを指します。

因みに要介護5は寝たきりの利用者で全般的に介助が必要となります。

施設により居室が4人部屋であったり、個室であったりと建物により違いますが、概ね4人部屋でワンフロア50人前後の利用者が生活しています。

特別養護老人ホームの利用者は、病院と違って慢性疾患が多く、状態が安定している利用者が多いです

また利用者にとって終の棲家となるケースが多いのが特徴です。

日中は看護師の配置は必要ですが、夜間はない為、看護師が夜勤なしで勤めることができます。

 

看護師の主な仕事内容

看護師は施設内の利用者の体調管理が主となります。

内容としては、バイタル測定、薬の管理、褥瘡などの処置、摘便、経管栄養の準備・投与(人数は少ない)、胃ろうの準備・実施、点滴、採血、ドクターの診察介助、通院などと多岐にわたります。

 

ママさん看護師にとって、特別養護老人ホームという選択が最適解の理由!

 

介護老人保健施設

いわゆる「老健」と呼ばれている施設であり、原則3か月を入院目安とした医療ケアやリハビリなどを行う施設です。

特別老後老人ホームが終の棲家となりやすいのに対して、老人保健施設は家へ帰る前の病院とのクッションになるケースが多いです。

ただ現実には3か月で在宅復帰できる利用者は少なく、社保審一介護給付費分科会の調べによると、利用者の平均在所日数は347.9日となっています。

利用するには介護保険適用となっているのが条件です。(要介護度1以上なら利用可)

医師が常時1人常在しています。看護師は3:1で配置されています。

特別養護老人ホームに比べて、待機時間が短いのが特徴です。

 

看護師の仕事内容

吸引や経管栄養、胃ろう、酸素吸入、気管切開の管理、リハビリなども行います。

 

老健における医療ケア上位5つとターミナルケア割合

*参考:社保審一介護給付費分科会

リハビリを中心の施設とあって、ダントツでリハビリで関わることが多いです。

他は病棟看護師には珍しくないケアが続きます。

また老健で亡くなる患者は少ないので、ターミナルケアはほとんど行われません。

 

介護療養型医療施設(介護療養病床)

特別養護老人ホームや介護保険施設と同様に要介護状態にある患者が利用する施設となります。要介護1以上の患者が利用可能。

医療法人が運営主体となるのが違いますが、特養や老健同様、食事介助や排せつ介助は行われます。

患者層は急性疾患からの回復期に至る状態の患者が適応であり、医療機関のため、常時医師が3人常在しているのもポイントです。

看護師は6:1で配置されています。

 

看護師の仕事内容

吸引や経管栄養、胃ろう、酸素吸入、気管切開の管理、リハビリなども行います

 

介護療養型医療施設の医療ケア上位5つとターミナルケア割合

*参考:社保審一介護給付費分科会

 

*2018年から介護型療養病床、医療型療養病床は介護医療院への転換がすすめられています。2023年末で介護療養型医療施設は介護医療院に移行予定。

老健同様リハビリで関わることが多いのが特徴です。

また老健より介護療養型医療施設の方が、医療ケアで関わる割合が多いのが特徴です。

老健より喀痰吸引の割合が多いことからも、それだけ患者の状態が安定しない方が多いのがわかります。

ターミナルケアで関わる割合が多いことからも、老健に比べて医療ケアが多いということがわかります。

 

 サービス付き高齢者向け住宅

高齢者の居住確保を目的に作られた施設であり、健康な高齢者や軽度介護を必要とした高齢者が利用しています。

住宅型有料老人ホームと似ています。

 

有料老人ホーム

介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3つに分かれます。

 

介護付有料老人ホーム

食事・排泄介助などの身体介護などを必要としている利用者が多いです。自立の方も入居できますが、要支援~要介護認定を受けている高齢者が殆どです。

利用者の要介護度は2~3レベルくらいが多いので、特別養護老人ホームよりは介助度は低めです。

 

住宅型有料老人ホーム

買い物や食事などの生活支援を必要としている方が利用できます。訪問介護やデイサービスなどが併設されていることが多く、必要に応じてサービスを受けることができます。要介護のある方から無い方まで混在しています。

 

健康型有料老人ホーム

要介護のない健康な方が入所しています。主に家事・食事サポートがついているホームとなります。スポーツジムや温泉などが併設されているホテルのようなところもあります。健康型という名前の通り、要介護状態になった際は退所しなければなりません。

 

看護師の仕事内容

健康管理、服薬管理、処置などとなっています。

 

経費老人ホーム

低額で日常生活をサポートする施設です。

 

看護師の仕事内容

健康管理、服薬管理、通院、リハビリ、医療機関との連絡調整

 

デイサービス

要介助状態にある高齢者が、自宅や高齢者向け住宅からリハビリやレクリエーション、入浴などを目的に利用します。

基本的に医者がいないので、看護師が判断していくことになります。

 

看護師の仕事内容

バイタル測定(入浴や運動の可否)、服薬管理、軟膏塗布、処置、爪切り、BS測定、インシュリン注射、浣腸、摘便など

病棟でもお馴染みの看護業務があります。

 

医療行為が多い施設順は?

有料老人ホーム < 特別養護老人ホーム < 介護老人保健施設 < 介護療養型医療施設(介護医療院) < 一般病院

の順番で医療行為が多い形となっています。

 

 

 病院と介護施設の違い3つ

ドクターが常駐していない施設が多い

病院と違い、特別養護老人ホームなどは常時ドクターがいるわけではないので、利用者の状態により通院へ行ったり、緊急時は救急車を呼んだりする判断力も必要になってきます。介護施設の事故原因はほとんどが転倒による事故です。次いで誤嚥が多いです。

*参考:老人保健健康増進等事業

 

高齢者に多い疾患の知識が必要

介護施設では高齢者が多いので、高齢者に多い疾患や感染症対策、時期によっては食中毒対策などの知識も必要となってきます。

施設で働く看護師の中には、医療環境管理士といった感染予防対策の資格をとっている看護師もいます。

 

看護師の数が圧倒的に少ない

病院と違って、介護施設は看護師スタッフの数が圧倒的に少ないので、看護師間で協力して業務を行うことや他スタッフ(主に介護士)の意見にも耳を傾けて、利用者の健康を維持していくことが大切となります。

 

 

 看護師が介護施設で働くメリット3つ

 残業がほぼない

一般病院では、就業前後での残業は当たり前ですが、介護施設は基本的に夕方に転倒などの通院を要するような事故がなければ、時間通りに帰ることが可能です。

そのため、小さいお子さんのいるママさん看護師などには時間の予定を立てやすく働きやすい環境であるといえます。

 

 体力仕事が少ない

病院と違い、排泄介助や入浴介助、ナースコール対応などは介護士が行ってくれることが多いので、体力的には病棟より疲れることはありません。

代わりに利用者がワンフロア50人ほどいるような施設もあるので、処置や経管栄養・胃ろう介助などが果てしなく続くこともあります。

 

 どこの介護施設でも働くことができるようになる

一つの介護施設で働くと、大体の流れを掴むことができるので、他の施設でも即戦力として働けるようになります。

介護業界も万年看護師が不足しているので、看護師の仕事の役割を覚えてしまえばどこでも引く手あまたで重宝されます。

 

 

 介護施設キャリア12年の私が転職を考える看護師の悩みを解決します。

施設看護師になったらもう一般病院へは戻れませんか?

戻れます。気持ち一つです。どんな施設や病棟でも基本的な流れというものはあります。

転職したてが戸惑うことも多いでしょうが、直ぐに慣れます。

施設後、一般病院へ戻った仲間も普通にいます。

 

 介護士とうまくやっていくにはどうしたらいいでしょうか?

絶対ダメな関り方は、看護師が介護士より上と見なして上から目線で接することです。

こうした対応をすると、圧倒的に介護士の数が多い介護施設であっという間に嫌われて働きづらくなるでしょう。

看護師と介護士の違いは仕事の内容が違うだけ、単に役割が違うだけです。そこに上も下もありません。

この辺を誤解しないようにしましょう。お互いが各々の役割をこなすことで施設が回っているのです。

またしてくれたことに感謝をするのも忘れないようにしましょう。

 

施設は看護師が少ないので責任感が重そうです。。どうしたらいいでしょうか?

確かに病院は看護師の上司にドクターがいるので、ドクターの指示のもと動けますが、介護施設では、常時ドクターはいないので、基本的な判断は看護師が行っていくことになるので、責任感を感じるときはあります。しかしこれがやりがいに繋がりまもします。

自分で判断がつかない時は、一人で抱え込まずに他の看護師や他スタッフへ相談するようにして乗りきっていきましょう。

 

 初めて施設へ勤めるのですが高齢者とうまく話せるか不安です。

最近は一般病院でも高齢者の患者が多くいるので、一般病院経験者ならあまり過度な心配はいらないと思います。

もし心配でも高齢者は沢山の経験や知識をもっているので、少し話せば沢山のことを教えてたり話してくれたりします。

高齢者は話し好きの人が多いですよ。

 

 

 自分にぴったりフィットした介護施設を見つける方法は?

 ハロワークで探す

ハローワークの方が一見沢山の求人を扱っているように思えますが、実際は求人サイトや転職サイトに比べて登録会社が少ない為、ハローワークはあまりお勧めできません。理由は以下の記事をご覧ください。

ハローワークと転職サイトの違い!看護師はどっちを利用すべき?

 

 求人サイトで探す

求人サイトは手軽に検索できて、登録数的にも沢山の案件を見つけることができます。

ただ求人情報にない情報を知りたい際は、自分で実際に電話をして確認しなけれならないのは欠点です。

また実際に働くまで職場内の雰囲気などの情報を得られないのはデメリットです。

 

 転職サイトで探す

転職サイトは登録社数がハローワークより多く、情報にないことも転職エージェントに相談すれば教えてもらえます。

職場内環境などの情報に関しても、今までの利用履歴などから把握しているので、信頼性がおけ安心して相談することができます。

また給料などの交渉事に関しても、自分で行う必要がない為、サポート力にも優れています。

 

違いを比較すると以下のようになります。

求人数 職場環境 交渉(主に給与)
ハローワーク 少ない 自分で確認必要 自分で行う
求人サイト 多い 自分で確認必要 自分で行う
転職サイト 多い エージェントが把握している エージェントがしてくれる

 

正直転職サイトを利用しない理由がありません。

私が介護施設を探した時も、求人サイトで求人情報は簡単に得られましたが、職場内の雰囲気や離職率などわからないことが多く、結局転職サイトで教えてもらいました。

でも転職サイトってたくさんありすぎて結局どれを利用したらいいかわかんないんですよね。

私もすっごい悩みました。

で、めっちゃ整理した結果看護のお仕事ナース人材バンクに登録しました。

様々な看護師転職サイトはありますが、私は看護師転職サイトの最大手の二社で仕事を探してもらいました。

最終的に看護のお仕事で望みの条件の介護施設を探してもらい無事に転職することができました。

 

最後になりますが、介護施設はどの施設にいっても、病院より看護師一人ひとりの存在感が増し、やりがいもあります。

そして病棟より間違いなく落ち着いて仕事ができます。

介護施設を少しでも検討している方は是非一度見学だけでもしてみると良いと思います。

転職サイトでも見学調整をしてくれるので、自分に合った転職サイトへの登録をお勧めします。

より良い仕事に出会えることを願っています。

 

下記に私が転職時利用した転職サイトのまとめがあるので、気になるサイトがあったらチェックしてみてください。

 

看護師転職サイトを比較・ランキング化!おすすめ・人気のサイトを現役ナースがこっそり教えます!

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