東京都:ゆみ(仮名)(23歳・女性)
入職した病院で苦手な先輩がいました。その人を前にすると、身体がこわばり思うように話せなくなります。
この前も仕事中「あんたちゃんと働いてよ、私たちに迷惑かけてると思わないの!」と大声で怒鳴られました。
確かにとろい私が問題であり、仕事ができないのかもしれません。
ここにいても迷惑が掛かると思い退職を考えていますが、親へ迷惑が掛かるので直ぐに新しい仕事を見つけないといけません。
でもまた同じような目にあったらどうしよう。
私みたいな社会不適合者が仕事についていいのか、と不安になってます。
正直転職がすごい怖いです。どうしたらいいでしょうか。
ゆみさん(仮名)は今の病院で自信をなくして退職を考えている状態でした。
本来、転職は未来を明るい方向へつくることができるはずなのに、不安を抱いてしまっているようでした。
転職が怖いと思う4つの理由
年齢が高い
体力に自信があっても、「雇用側が年齢でとってくれないのではないか・・」といった不安はあります。
世の中には、履歴書に年齢を書かないといった流れが出てきてはいますが、変革の遅い医療業界は未だに我関せずです。
ただ年齢は嘘を言っても仕方ありません。
もし年齢が理由で落とされるようなことがあったら、むしろ落ちて正解だったと思ってください。
その病院は間違いなく変化に弱い病院です。
古い習わしや考えがこびりついており、変革を嫌います。
こういう会社の未来は明るいとはいえません。
次の転職先に看護知識・技術が足りているか不安
誰であっても新しい職場において、自分のやってきた看護が通用するかは不安になります。
でも通用するかしないかは実際働いてみないとわかりません。
不安であるならば、今まで自分が行ってきた看護を確認・整理してみましょう。
その中で不安がある知識・技術は学びなおしておきましょう。
とくに看護の現場では、フィジカルアセスメントの能力ができる・できないを判断します。
希望の診療科目について学んでおくことはとても大切です。
人間関係がうまくいかないのではないかという不安
転職先がどういう人間関係なのかは怖いですよね。
こと人間関係は退職理由第一位ですので、良い人間関係というものは長く働く上で非常に重要です。
ただ人間関係においては、実際のところ「入職してみないとわからない」というのが実情です。
「では打つ手がないのか!?」というと、そうでもありません。
転職サイトの利用です。
転職サイトならば、アドバイザーが管理者や(転職サイトを通して)既に入職した看護師から病院の大まかな人間関係を確認することはできます。
ようは病院の内部情報をもっています。
気になる方は転職サイトへ確認してみるとよいでしょう。
また同時に離職率なども確認すれば、大体の病院の雰囲気が掴めると思います。
給料が下がるのではないかという不安
看護師は一般サラリーマンと違い、専門職なので給料のベースは高く、大きく差はありません。(半面昇給しづらいというデメリットはありますが・・・)
もちろん、都内の病院から地方の病院へ転職すると給料は下がりますが、同規模の街の同規模の病院ならば大きく差はでません。
給料ダウンに不安がある方は、病院規模と働く都道府県に注意して探してみると良いと思います。
また給料アップも考えて探したいなら転職サイトの利用が必須といえます。
転職サイトなら給料確認だけでなく、給料アップの交渉も可能だからです。
面接に対する不安
一般企業ほど厳しい面接はありませんが、病院も面接はあります。
ただ看護師は常に人材不足であり、面接というより、確認のようなものが多いです。
あまり不安はもたずリラックスして望んでもらえればと思います。
転職の怖さより現状維持の方がよっぽど怖い理由!
転職を躊躇する理由に、年を重ねるほど、新しい変化が怖く、現状を維持しようとする傾向があります。
現状維持バイアスというものです。*
ようは変化を避ける心理傾向です。
年を重ねるほどこの傾向は強くなっていきます。
*『変化を受け入れることをせず、現状維持を求める心理のこと』リチャード・ゼックハウザー、ウイリアム・サミュエルソンによって1988年に提唱された理論です。
これは『ひとは利益より損失を回避する傾向がある』というプロスペクト理論(ダニエル・カーネマン)とも繋がっています。
プロスペクト理論とは、『得を得るより損をしたくないという人間の心理的傾向』です。
例)病院を退職することで、新しく得る給料や人間関係、知識、経験より、今まで得ていた地位、給料、人間関係などを手放すことを避ける傾向。
「出会う」「得をする」<「手放す」「損をする」
という考えに至りやすい。
だから転職を躊躇ってしまう心理はごく普通のことです。
勇気がないというわけではありません。
人間の普通の心理傾向です。
でも実際は転職でどうなるかなどわかりません。
新しい転職先では今まで以上の出会いや成長が待っているかもしれません。
それって怖いですか?
わくわくしてきませんか?
むしろずっと同じ職場にいることで、段々と自分がなりたくないお局看護師になっているかもしれませんよ。
それに、いま病院にしがみついていても定年が来たら否応なしに退職しなければなりません。
そうなった時に変化を恐れた自分を悔いても手遅れです。
なにより怖いのはキャリアが長いほど、自分の考えに固執してしまうことです。
前の病院が全て、前の病院のやり方が一番効率的、今の病院は駄目。
と前の病院環境を過大評価し、現状のやり方に不満を漏らすようになってしまうことです。
こうなると、病院からは煙たがられますし、仲間もできません。
こうして考えると、いま転職することの怖さより、現状維持をすることで訪れるのちのリスクの方がよっぽど怖いといえます。
なので考え方が柔軟なうちに、転職といったものを経験しておいた方が、今後の自分にとって絶対にプラスです。
では転職前に何をしておいたらいいのか?
転職を成功させるためにするべき3つのこと
第一印象を大切にする
人は表情だけでなく、身だしなみや話し口調、視線など様々な判断材料があります。
ですが、メラビアンの法則にあるように、人は第一印象に左右されやすいです。
まずは表情と身だしなみに気をつけて準備していきましょう。
学習意欲を示す
学習意欲が高い人というのは好かれます。
特に看護師は学ぶことが膨大に多く、常に学ぶ姿勢を求められるため、この姿勢は評価されます。
「評価のために学ぶ」というのはどうかと思うかもしれませんが、学ぶことは自分にとって少しもマイナスではありません。
学ばない人間と学ぶ人間。
あなたが雇用主ならどちらの人間を採用したいですか?
入り方がどうであれ、学ぶことは自分自身を手助けしてくれる最高に役に立つ武器となります。
自分のキャリアを考えた上で、転職理由を整理する
面接で絶対聞かれます。特に病院は様々な診療科があるため、その診療科を選んだ理由は確認しておきたいからです。
自分が今までの病院で得た知識・技術・経験を絡めた上で、なぜ自分がその病院を志望したのか答えられれば問題ないと思います。
これは面接以前に、自身の今後のキャリアを考えていく上で自分を振り返ることはとても有用なので、絶対に整理しておきましょう。
病院の情報、理念を確認しておく
自身が希望する病院が何を専門とした病院であり、理念は何なのかは確認しておいた方がよいです。
とくに理念は病院の考え方の核となる部分なので、絶対に確認しておきましょう。
面接の質問でも理念に沿った答えを用意すれば減点になることはありません。
まとめ
転職が怖く不安を抱くの当たり前です。
筆者も転職時は、はじめての人たちに緊張したこと。
毎日新しい顔を見たら自分から挨拶をしにいったり、カルテを見まくって早く患者を覚えるようにしたのを覚えています。
結果として今もその病院で忙しいですが、仲間と楽しい毎日を過ごすことができています。
不安はわからないからこそ大きいものなので、自分の経験を振り返ったり、転職先を調べることで不安を小さくすることができます。
だから止まることなく前にすすんでみてほしいです。
大丈夫!今まで過ごしてきた経験は絶対無駄にはなりません。
応援しています!
最後に筆者が昔お世話になった転職サイトを紹介しておきますので、転職活動に困った際は利用すると良いと思います。