育休明けや一般科の看護師へ。精神科病棟の特徴教えます。

少しだけ目を閉じて考えてみてください、、

看護師としての今は想像通りですか?

いまの生活は何点をあげれますか?

毎日毎日業務中はOPEやら検査でバタバタ、勤務時間がやっと終わっても、記録が山盛りに残っている毎日、帰り道は常に真っ暗。。。

こんな生活で満点を与える人はいないと思います。

筆者も

「こんなはずじゃなかった・・・もう辞めたい」

「3月に辞めよう、、」

「でも辞めたらどうしたらいいんだろ、、」

いつも葛藤しながら毎日過ごしていました。

ですが筆者はいま満足して過ごすことができています。

筆者はいま精神科病院へ勤務しています。

最初こそ、一般的な病院とは全く違った光景に戸惑いました。

でも慣れてしまえば、仕事は楽しく、精神科看護の奥深さも知り、とても充実した日々を過ごせています。

ここでは疲弊しきった看護師さんたちへ、わかりやすく精神科病院について説明しています。

興味のある方はさらっと読んでもらえると良いと思います。

精神科病棟の特徴をさくっと知ることができます。

精神科とは?

ぴーこ
教科書のような説明は省くよ。当たり前だけど、精神科は精神疾患を有する方が入院している病棟だよ。だって精神科だからね。
やーこ
入院患者の半分以上が統合失調症で入院しています。他は気分障害、パーソナリティ障害、認知症患者などです。
ぴーこ
精神疾患を長い間有する慢性期の患者では、認知症も発症している高齢患者も多く、療養病棟のような病棟もあります。

ぴーこ
上記図からも、半分以上が統合失調症ということがわかるよね。
やーこ
病棟としては、疾患を発症して間もない患者が入院する救急・急性期病棟、精神疾患を長く有している方が入院する慢性期病棟、アルコール依存症患者が入院するアルコール病棟、薬物依存患者の入院する薬物治療病棟などがあります。(病院によって病棟の呼び名は違います)
ぴーこ
これらの病棟は、全て鍵で施錠されており、外部へ自由にでれなくなっているのが特徴で、閉鎖病棟と呼ばれています。
何故閉鎖病棟が必要かというと、病状が良くないのに自由に病院外へ出れてしまうと、社会的に問題となる行動をとってしまうケースもあるからです。そのため、精神科病院では閉鎖病棟という病棟をつくり、病状が安定するまで薬剤調整などの治療を行っていきます。
やーこ
反対に精神症状の落ち着いている患者の多い病棟は、門限的なものはありますが、開放時間中は自由に外へ出られ、開放病棟(療養病棟)と呼ばれています。
ぴーこ
一般病院は患者が外へ出ようと思えば出れるので、開放病棟ってことだね。

精神科病院の特徴

  1. こころの病気をもった患者や認知症の患者が入院している
  2. 閉鎖病棟と開放病棟がある

一般病院と精神科病院の違い

ここでは一般病院と精神科病院の違いをもう少し深く載せておきます。

病院により違いますが、概ね以下のようになっています。

一般病院 精神科病院
患者の特徴 急性期病棟は命に関わる患者も多い。

回復期病棟は病状が安定し、自宅等へ戻るためのリハビリが必要な患者が多い。

慢性期病棟では日常で医療処置の必要な高齢者が多い。

急性期病棟では疾患別の症状が強く出ている患者が多い。

慢性期病棟では日常で医療処置の必要な高齢者が多い。

OPE/検査 あり なし
急変リスク あり 少ない
転倒 あり あり
暴力 なし ときにあり
残業 あり ほぼなし
精神的疲労度 あり 病棟による(急性期病棟)
肉体的疲労度 かなりあり 病棟による(介助量の多い慢性期病棟)
給料 残業により増減 危険手当がつく
有休消化率 50%消化できない 100%消化可能

次に精神科における各病棟の特徴について説明します。

救急・急性期病棟(スーパー救急病棟・急性期治療病棟)の患者の特徴

保護観察室(隔離室)は急性期病棟にあり、自傷他害の可能性が高い患者が、その症状が落ち着くまで入室することがあります。
やーこ
救急と急性期病棟では、診療報酬上の違いがあり、配置基準や年間入退院割合など違いますが、患者層は救急病棟も急性期病棟もほぼ同じです
やーこ
一般的に救急・急性期病棟は、症状の急性増悪によって、社会的に問題となる行動(警察が介入するような案件)を起こしてしまい、警察や家族などに連れられて入院(措置入院や医療保護入院)してくる患者が多いです。入院形態の説明をここですると、話がややこしくなるので省きます。
ぴーこ
精神科の救急・急性期と聞くと、病棟までの移送時(入院時)、暴れてくることを想像してしまうけど、そういった恐れのある患者は少なく、基本的には自身で歩いて病棟まで来ます。
ぴーこ
暴力などのリスクが高い患者は鎮静が掛かってストレッチャーにのってきたり、拘束された状態で保護観察室(隔離室)のある閉鎖病棟へ入ります。
やーこ
また暴力リスクが高いと判断した場合は、応援を呼び、複数の男性看護師が入院対応にあたったりします。入院時に暴力を振るわれることは殆どありません。
ぴーこ
患者さんによっては、怠薬から妄想言動や暴言・暴力が活発になっていたり、抑うつ的で希死念慮がある患者もいるので、注意深い観察が必要となります。
やーこ
患者が保護観察室(隔離室)で問題行動が見られないときは、Dr.が時期を見て、保護観察室(隔離室)から準開放病棟(閉鎖病棟だがテレビを自由に見たり、電話や面会などができる)へ移ります。
ぴーこ
ここで症状が悪化してしまい、また隔離室へ戻らざるえない患者さんもいるので服薬状況や精神状態の観察が重要となります。
やーこ
基本的に隔離室外の患者は、落ち着いていることが多く、テレビや本を見たり、リハビリに励んだりと、各々のペースで入院生活を送ります。そして外出や外泊などを行い、退院へ向けて準備していきます。


基本的にスーパー救急も急性期病棟も入院から退院まで3か月間となっています。
ただ症状が安定しない患者さんなどは3か月以上入院生活を送ることもあります。

急性期病棟と他の病棟との違い

次に精神科急性期病棟と慢性期病棟の違いについて説明していきます。

まずはざっくり以下の違いがあります。

急性期病棟【閉鎖】 慢性期病棟【閉鎖】 慢性期病棟【開放】
患者層 若い>高齢 高齢 それぞれ
ADL 高い 低い 低い
介助量 少ない 多い 少ない
入退院 多い なし(転棟はあり) 少ない
入院中の病状 症状が落ち着く患者が多いが荒れる患者もいる。 落ち着いても妄想などが消えない(固定化)していることが多い。 休息を取りつつ社会復帰へ
予後 3か月以内での退院が多い 退院難しい 社会復帰を目指す
保護観察室【隔離室】 あり なし なし
入院形態 措置・医療保護・任意 措置・医療保護・任意 任意
残業 退勤間近の急な入院であり なし なし
スタッフ層 他病棟より男性が多い 女性が多い 女性が多い

救急・急性期病棟の特徴として、患者層が若い患者が多い為、身体介助を要さない患者が多いです。

認知症患者や行動制限中の患者のおむつ交換や体位変換は場合により介助をします。

また他の病棟に比べて圧倒的に入退院数が多いのが特徴です。こうしたことから患者の状態を常に観察・記録をして、Dr.へ状況報告をしていくのも患者の早期退院へ繋がるので、とても大切な仕事となります。

3か月掛からずに退院される患者もいますが、症状が治まらず退院が長引く患者などは、そのまま3か月以上入院していたり、慢性期病棟へ移動することもあります。

そして救急・急性期病棟は、閉鎖病棟なので、鍵がないと開かない病棟であり、Dr.の外出許可が出ないと、病棟の外へ出ることができません。

許可が降りれば日中患者一人で外へ出ることも可能となります。家族などへの電話も面会も許可が出れば可能になります。

まとめると以下になります。
救急・急性期病棟の特徴。
 妄想言動、暴言・暴力の症状が強かったり、自殺企図が強い患者が入院してくることが多い。
 入院期間は3ヵ月未満が多い。
 患者層が若い為、身体介助を要さないことが多い。
 不安などの訴えが多く、高いコミュニケーション力が問われる。
 イレギュラーなことが起こりやすい。

ぴーこ
入院時刻が遅いと、残業をすることがあるよ。(一般病院のような常態化はしていません。)

慢性期病棟(閉鎖)の特徴

ぴーこ
慢性期病棟の特徴としては、患者の在院日数が長い傾向にあり、数十年入院しているという患者もいるよ。

やーこ
患者の長期入院の問題も徐々に改善はしてきているけど、平均でもまだ270日近くもあり、一般の病院に比べるとやっぱり長いですね。

慢性期病棟もいろいろあり、精神症状の回復があまり見られず、

症状が固定化し退院の目途が立たない慢性期病棟のフロア

症状の固定化+内科的疾患も抱え、寝たきり患者の多い慢性期病棟のフロア

があります。

症状が固定化し退院の目途が立たない慢性期病棟の特徴

症状が固定化した慢性期病棟では、患者の訴えへの対応、日々の記録、作業療法送り出し、投薬などがメインになります。

精神疾患の治療が長引いている患者が多い為、こちらの意思が中々伝わらない患者や常に妄想で頭がいっぱいの患者もおり、ケアする人間も精神的に弱いと疲弊してしまう看護師もいます。

症状が固定化した慢性期病棟では、内科的疾患を有する慢性期病棟に比べて年齢層が若めであり、その分ADLも高いことが多いです。

またこうした慢性期病棟には急性期病棟同様、保護観察室(隔離室)も併設していることが多いです。
 妄想などの症状固定化した患者が多い。
 自傷他害の恐れで、行動制限(拘束)している患者もいる。
 内科的疾患を有する慢性期病棟に比べて、介助量が少ない。

症状の固定化+内科的疾患も抱え、寝たきり患者の多い慢性期病棟の特徴

内科的疾患を抱える慢性期病棟の業務内容は療養病院に近いイメージです。

輸液管理や吸引、処置などの一般的な看護ケア、洗面介助やおむつ交換などの身体介護が主な業務です。

認知症をもちMTやDIV抜去などのリスクのある患者もおり、必要時に行動制限も実施しています。

以下が特徴になります。
 輸液管理・処置など必要な患者が多い。
 治療上、行動制限(拘束)している患者が多い。
 身体介助が必要な患者が多い。
 一般科の看護知識・技術が役に立つ。
 業務がルーチン化しており、ほぼ100%定時で帰れる。

ぴーこ
業務がルーチン化しており、ほぼ100%定時で帰れるよ。

慢性期病棟【開放】

患者の精神症状が比較的安定しており、リハビリや社会へ戻る際の準備(金銭管理や外出・外泊など)を行う病棟です。

外出、外泊も頻繁にあります。

また回復期は開放病棟のため、決められた時間は自由に外で過ごすこともできます。

ぴーこ
症状が落ち着いている患者が多いので、一般科から入職してくる看護師には、物足りないと思う看護師もいるかも・・・

 落ち着いている患者が多く、介助量が少ない。
 退院指導などが多い。
 業務は内服管理・OTの送迎・記録。

ぴーこ
ゆったりしてるので、毎回5時ピンで帰れるよ。

精神科への転職を迷っている方へ最後に伝えたいこと

筆者自身、今まで脳外と循環器を経験した後、精神科病院で勤め始めました。

勤めることで、「同じ給料でこの労働量の差はなんだ!?」と思ったもんです。(主観では一般病院の方が労働量が多くきついと感じました。。。)
まぁ最初に一般病院を選んだことに微塵も後悔はありませんが、、、

その後、精神科の急性期病棟へ異動し、The精神科というものを肌で感じて仕事をしています。

正直、、楽しいです。

精神疾患は奥が深いです。

声掛け一つで反応が変わるし、適切な治療で、劇的に良くなったりもします。

因みに6大疾患と言われる疾患の中で、一番多いのは、癌でも糖尿病でもなく、精神疾患です。

10人に1人は鬱などの精神疾患を患っていると言われています。

誰でもかかる疾患です。

あなたの大切な人がかかる可能性もあります。

あなた自身がかかる可能性もあります。

一度精神疾患について深く学んでみませんか?

経験浅くたって問題ありません。

誰だって最初は経験ゼロです。

はじめれば経験値は増えますし、それに比例して自信もどんどんついてきます。

あ、正直患者は全然怖くありませんよ。普通に優しい患者さんが多いです。

怖い体験のテレビや精神科なんていう響きから誤解されがちですが、殆どの患者さんは優しいです。

そして何より繊細です。

むしろ一般病院で出会った先輩看護師やプリセプターの方が圧倒的に怖いですよw

是非一度精神科を体験してみてください。

絶対ハマりますよ!

最後になりますが、筆者が精神科への転職時にお世話になった看護師転職サイトを載せておきます。気になる方はチェックしてみてください。

転職活動を全面サポート!【看護のお仕事】

最新情報をチェックしよう!