あれ?なんか入職前に言ってた話と違くない?
ここでは気持ち新たに転職したのに、なんだか思っていた職場と違って、転職前より逆に苦しんでいる看護師へ向けて書いてあります。
その為、現在の転職先で心躍って仕事をできている看護師へは、この記事は全く向いていません。
その心躍っているドキドキやウキウキが動悸に変わったら、ここへきて読んでもらえたらと思います。
二度と転職で失敗したくない看護師さん
あなたにとって転職で失敗したとは具体的にどういったことでしょうか?
思ってたより
給料が安かったことですか?
休日がなかったことですか?
残業が多かったことですか?
職場に馴染めなかったことですか?
当然ながら人それぞれ失敗したと思う要因は違うと思います。
以下では、これら失敗したと思う要因が次の職場で生じないように、一つ一つ事例をもとに考えていきたいと思います。
転職に失敗したと思った5つのケース(こんなはずじゃなかった例)
給料が減ってしまった・・・
東京都:U.Mさん(34歳・男性)
私が転職したときのことです。
前の病院では月収手取りで27万ほどもらっていました。しかしあまりの多忙を理由に退職しました。その後あまり深く考えずにネットでおすすめの転職サイトへ登録して新しい職場へ転職しました。
給料は前の病院と同額を保証してくれるとのことで安心して移りました。
しかし給料を頂いて啞然としました。給料は何と25万円になっていたのです。何度確認しても25万になっています。夜勤回数も前と同じ回数だったので、経理の間違いだと思い確認しました。
すると間違いはないとのこと。どうにも納得いかず経理へ再度確認をとってもらうと27万円になる働き方は子供を扶養に入れた場合の給料とのことでした。(当方子供が二人います)
ようは子供二人を扶養に入れると扶養手当が2万円もらえるので、それを含めると前の病院と同額になるということでした。
そんなことは事前に聞いてなかった旨伝えましたが、変更はできないとのこと。
その後、子供一人のみ扶養に移しましたが(もう一人は妻の勤め先の扶養手当)なんとも釈然としない形で勤めています。
こうした給料にまつわる転職失敗ケースはいくつもあります。
このケース以外にも、月収モデルで示されている通りの勤務ができずに、予想通りの給料がもらえなかったといったケース。(例えば給料モデルで夜勤4回で計算されていたが、実際には月2回ほどしか夜勤がなかった場合など)
給料モデルと自分の看護師経験年数が違っていて、想像以上に給料が低かったケース。
手当が上乗せされているだけで、実際の基本給は安く、ボーナスが低く、年収ベースで見ると給料が下がったといったケースもあります。
そして残業込みの高年収提示の契約なども注意が必要です。
転職時は必ず給与モデルをくまなく確認して、疑問のある点は確認しておくようにしてください。
転職してから気づいたら目も当てられません。。。
残業が増えてしまった・・・
東京都:K.Aさん(25歳・女性)
「残業は月10時間以内です。」
入職前、病院の面接官は確かにそのように言っていました。
前の職場では残業が多くてきつかったため、その言葉に安心して新しい職場へ移りました。
しかし実際に働いてみるとそれは全くの嘘でした。
残業申請が通るのが月10時間以内であって、実際は申請の通らない月数十時間のサービス残業が隠れていました。
残業せずに帰りたくても、上司が残るため部下は全く帰れず、患者のためと言う、看護師の逆らえないワードで全く帰れません。
その後も全く帰れない多忙の業務が続いたため、転職半年で退職しました。
やりがい搾取の典型だと思いました。
このやりがい搾取を行うあくどい病院は殆どがサービス残業。
震えますよね。(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
また面接時に、「毎月残業は少しあります」程度の少しという言葉も要注意です。
筆者はこの言葉を信用したら、毎月30時間以上残業するはめになりました。
因みに一般的な残業具合がどんなものかは以下に示しておきます。
このデータによると、看護師で働いている85%以上(10人のうち8人以上)が残業をしており、残業の平均時間は18時間46分(一日約1時間ちかく)となっています。

残業時間については、平均なので、当然これ以上している看護師もいます。
転職前に残業は月にどのくらいか、残業代はしっかり出ているのか、勤務前の早出勤はどのくらいかなども確認することを忘れないようにしてください。
聞きづらくて聞けないときは転職サイトなどを利用して担当者に聞いてもらうようにしてください。
休日が減ってしまった・・・
東京都:T.Yさん(27歳・女性)
昨年、多忙を極めた循環器の公立病院を4年で退職して、27歳で老人福祉施設(特別養護老人ホーム)へ入職しました。入職後、急かされない環境で仕事ができて満足していたのですが、以前に比べて職場へ多く出勤しているような気がしていました。そこで休日日数を確認してみると、なんと以前の病院より毎月1~2日ほど休みが少ない年間108日だったことに気付きました。前の病院と比べると13日の差がありました。
多忙からは解放されたので前の病院に戻る気はありませんが、いつも職場にいる感覚も嫌なものです。
今は休日数の多い施設へ移るか毎日悩み悶々としています。
転職に対して、給料は気にする人が多いですが、意外と休日に目を向ける人は少ないです。
まして休日数をはっきりと明示していない求人情報もあり、気にしないで入職してみたら、「週休2日でなかった。」といった声をあげる看護師もいます。
入職したあとで休日の少なさんに気付いても、病院等で決まっていることなので、そのまま我慢して勤めていくか、退職するしか方法がありません。
休日数が減るということは、休日数の多い看護師より、その分仕事を多くしていることになるので、疲労も溜まり、プライベートに割く時間も少なくなるので、とても損をしていることになります。
転職前にしっかり休日数を確認しておくことをおすすめします。
人間関係が合わなかった・・・
東京都:T.S(23歳・男性)
転職前に次にいく病院を見学して移りました。しかし蓋を開けてみると派閥があって関係性がシビアでした。ネットや見学だけではわからない一面ですね。ですが「女の世界。派閥があるのは当たり前」と気にせず、私はあまり関わらないように仕事をしていました。しかし数か月すると、各派閥から「〇〇さんの件聞いたぁ?」「〇〇主任ってひどくない?」「〇〇さんほんと神経質だよね!?」といった同意を求める意見が多く聞かれるようになりました。あまりにしつこいので適当に話しを合わせていると、ある日その答えがあることないことマシマシになって何故か当人に伝わっており、「前に私のこといってたでしょ!?信じられない!」とブチ切れられました。そんなことは思っていないし言ってもいない旨を伝えても、話しを聞き入れることはなく一方的に無視されました。当人が派閥のリーダー格だったので、周りからも愛想のない対応やよそよそしい態度をされるようになりました。周りの職員が私を避けるようになり、仕事がしづらく、今はご飯も一人で食べています。
毎日胃が痛いです。なんで仕事以外でこんなストレスを抱えていかないといけないのでしょうか。正直、こんな職場なら入らなければよかったと本気で悔やんでいます。辛いです。
これが転職失敗の理由として一番つらいかもしれません。
少しくらい給料が低く、残業が多くても、人間関係が良かったら、お互い協力したり、励まし合いながら仕事もできるものです。
しかしこの状態がないと、終始孤独な状態で仕事をしていくことになります。
看護師のような協力を必要とする職種では、人間関係が悪いのは仕事の能率を激減させます。
そもそも患者へ良い看護が提供できなくなるので、人間関係が合う合わないというのは、患者の健康にまで関わる切実な問題となります。
職場環境(風土)が合わなかった・・・
東京都:W.Kさん(28歳・女性)
前の病院は昔ながらの慢性期病棟でしたが、もう少し先進的な医療を学んでみたいと思い、先進的な医療や機器を扱う病院へ勇気を出して転職してみました。
病院では機器もさることながら、ドクターや看護師の知識・技術レベルが非常に高く、判断力もあるので、勉強になることが沢山ありました。
そういった中で何とか食らいつてやっていましたが、どうしてもついていけないことがありました。
それは院長の考えや経営方針です。
私の勤める病院は個人病院ということもあり、院長の考えが全てであり、売上至上主義の経営方針でした。
運営上、売上が大切ということはわかっていましたが、そこを前面に考えての看護というものは自分には受け入れづらい面がありました。
また「反対意見を述べるもの者は切り捨てる」といった考え方も合いませんでした。
結局、2年経ずに退職を選択しました。
転職時は給料や休みだけでなく企業文化といったこともしっかり知っておく必要があると身をもって実感しました。
人間関係だけでなく、その会社の風土といったものは、長く仕事をしていく上で重要なものです。
ホームページの院長のメッセージだけでは、自分がその病院に合うのかわからないことが多いです。
W.Kさんの口コミのように売り上げに厳しい病院だったり、なあなあで全然やる気のない医者や看護師が多い病院もあります。
こうしたあまりやる気の見られない病院では、やる気があっても周りから見たらいきってるように思われ浮いてしまいます。
なので転職前は極力病院のホームページで情報を得たり、見学させてもらったり、転職アドバイザーに確認したり、出来る限り沢山の情報を得ることをおすすめします。
そして自分がどのように仕事と向き合っていきたいかをしっかり考えて、職場を探していくことが大切です。
なぜ転職を失敗してしまうのか?転職失敗する人の4つの特徴!
退職中のことをしっかりイメージできていない
意外と多いです。
当たり前ですが、転職するには一度退職しないといけません。
退職するということは、毎月もらえていた給料がもらえなくなるということです。
寮に住んでいる方は新しい住まいも探さないといけません。
また今まで病院側が行ってくれていた健康保険料や年金についても自分で支払わなければいけなくなります。
こうした問題をしっかり考えた上で転職をしないと転職活動に集中できません。
因みにこれら社会保険料(健康保険料や厚生年金など)は翌月払いです。退職月が満額支給されない場合などは結構痛い出費となります。
社会保険についてもっと知りたい方は下記記事をご覧下さい。
焦って仕事を決めようとする。
転職に失敗したという方には多いです。退職後に「とりあえずお金がないから仕事しなきゃ」と焦って決める職場は往々にして失敗します。
慌てて決めると情報の取りこぼしや悪い条件で入職しがちです。
こうした転職では結局不満を抱くことになります。
仕事は人生の充実度を左右する大切なものということを頭において転職活動するようにしましょう。
将来の考えがまったくない。
自分がどんな診療科で働きたいのか?それとも施設や訪看、CROなどで働いてみたいのか?また給料や休日はどのくらいほしいのか?など考えることは多くあります。
これからの人生で
手に入れたいものは何か?
やり遂げたいことは何か?
何を大切にして生きていきたいか?
*参考:「できる40代はこれしかやらない」より
これらを考えておくことは転職においての自身の指針となります。
指針を持たずに転職を考えることは地図を持たずに旅をするのと一緒です。
ゲームなら自由度が高くて良いのかもしれませんが、実際は刻一刻と時間が流れています。将来の考えを持たずに転職活動することは時間の浪費であり非常に危険です。
やりたい事が見つかった時に年齢制限がオーバーしてたら 目も当てられません。
このように指針は転職の失敗を減らせるので、しっかり考えておくと良いと思います。
一人で転職活動をする
自分一人での転職活動。これは転職失敗リスクが高いです。
仕事は自分がするものなのですが、自分一人の力では限界があります。
まず情報力に差が出ます。
情報力とは調べられる病院の外部情報や内部情報です。
外部情報とは給料や休日などネットを駆使すれば得られる情報です。
これはネットで調べることは可能ですが、病院数だけでも全国で8,000件を超えます。クリニックにおいては10万件を超えます。
これらを自分一人で調べあげることは絶対に不可能です。
また病院の内部情報を知ることも一人では難しいです。
ネットを駆使すれば病院の内部情報を知ることもできるサイトもありますが、一人で調べるには限界があります。
こうした情報の差は転職における成功失敗を分けます。
また交渉力にも差が出ます。
特に給料は交渉如何で変わることが往々にしてあります。
看護師は昇級の少ない職業なので、最初の給料が肝です。
絶対に妥協せずに交渉力のある人間を横において、テーブルについたほうがいいです。
転職で失敗しないために入職前に絶対確認しておくこと。
転職の失敗を防ぐには、転職先の情報を得るだけでなく、自分を掘り下げておくことが大切です。
なぜ自分は転職したいのか、今後どうしていきたいのか!?何は避けたいのか!?
こういったことをしっかり掘り下げておくことで、転職先の選び方も変わってきます。
以下、最低限自身が把握しておくことを記載しておきます。
給料に関して
自分の周りにも、給料が低いといった不満から、結局もとの病院へ戻ったというケースもありますので、転職時には給料面をしっかり確認する必要があります。
特に給料に関しては、月収に目が行きがちですが、一番大切なことは年収です。
月収が高くてもも、ボーナスが低いなんてことはざらにあるからです。
あくまで確認するのは年収です。給料を確認する際は、以下の表を参考にすると良いと思います。
*平成30年賃金構造基本統計調査
ちなみに2019年度の看護師の平均年収は479万円と言われています。
また公立や都立病院などで勤務している看護師は、新卒時の給料は低いですが、勤務年数によって確実に昇給し、年収は上がっていきます。
逆に民間病院などでは最初から給料が高めな一方、昇給が殆どないに等しいので、次の転職時には、そうした面も考えて求人先を選んでいくことが大切です。
残業に関して
残業に関しては、病院の状況や診療科によって違いますが、一般病院の看護師85%を含むアンケートをした結果の残業時間が以下になります。
*出典:公益社団法人日本看護協会
残業を減らすよう国で動いているにも関わらず、残業時間が増えているのがわかります。
下記は残業時間の実態です。
*出典:公益社団法人日本看護協会
上記から調査結果から残念ながら病院はサービス残業が多いことがわかります。
因みに残業理由は下記になります。
*出典:公益社団法人日本看護協会
これらから病院では仕事時間内に業務や記録が終わらないことが多いと推察できます。
このように看護師と残業は切っても切れない関係ですが、勤務場所によっては、それが切れる場所もあります。
例えばクリニックでも残業なしで上がれるところや精神科やデイケアセンターのような定時で上がれるところはあるので、残業をどうしてもしたくない看護師は、入職前にしっかり「残業があるのか?」の確認をしたり、「残業はできない」ということを入職前にしっかり伝えた上で入職するか決めましょう。
休日に関して
転職時に休日をしっかり確認することも大切です。
休日は仕事以外のプライベートな時間を充実させることができます。
人生は仕事だけではないからです。
また時間は単純にお金にもカウントできます。
看護師は休日数が年間10日違うだけで、年収で20万円は違いますし、10日あればそれだけ子供の笑顔をつくることができたり、海外旅行などへもいけます。
こうしたことから休日をしっかり確認することは、あなたの人生をより充実したものへすることができるので、転職時には絶対確認しておくべきことがらです。
しかし休日の確認方法について注意しておくべき点があります。
それは休日の表記方法の確認についてです。
具体的な休日の表記については以下のようになっています。
求人情報に記載されている休日の意味について
・週休2日制~1か月の中で週2日の休みが月に一度以上あること。それ以外の週が週1日休みのこともあり。最低年間休日60日。
・完全週休2日制(土日)~毎週2日の土日が休みであること。1年は52週なので、年間休日104日ということ。
・完全週休2日制(土日祝)~毎週2日の土日休みがあり、かつ祝日も休みであること。年間休日120日。
・完全週休2日制(原則土日祝)~毎週2日の休みがあり、且つ祝日数も休みとしてカウントされること。年間休日数104+祝日数16日の合計120日。土日祝が休みとは限らない。
・完全週休2日制(原則土日祝)+年末休暇~毎週2日の休みがあり、且つ祝日数も休みとしてカウントされる。さらに年末休暇もあり。年間休日数104日+祝日数16日+年末休暇(会社によってちがう)=120日+年末休暇となります。
週休二日制と記載されていたら要注意だね。
このように休日数の表記に関しては、表記は小さな違いでも、内容には大きな違いがありますので、注意が必要になります。
人間関係に関して
職場には様々な人間がいます。
あるデータによると職場の悩みは人間関係が9割というデータもあることから、「人間関係の悩み」というのは、仕事をしている人間にとって、とても重要な気にすべき、人によっては解決すべき問題になります。
「嫌われる勇気」で有名なアルフレッド・アドラーも「つまるところ人間の悩みは全て人間関係に行き着く」と記述しています。
円滑な人間関係を構築するということは、職場の悩み全てを解決するといっても過言ではないです。
転職においては事前の職場見学や転職サイトで病院の内部情報を確認するなどしておくべきです。
職場環境に関して
まずはネットで病院のホームページを確認して、病院の理念などを確認してください。
その理念に首をかしげるなら早々に断念してよいでしょう。
きっとその病院は合いません。
次にナスコミというサイトも使えます。
ここでは各病院で働いた看護さんの内部情報を聞けるので有用です。
ただ利用には、登録が必要なこと、前の病院の情報提供が必要です。
また転職サイトの利用も有用です。転職サイトも登録が必要ですが、こちらからの情報提供は必要ありません。
転職サイトでは、実際に病院で働いた看護師さんの内部情報だけでなく、実際に病院に出入りする転職アドバイザーの意見も聞くことができます。
転職サイトは情報網が格段に広いので利用した方が良いでしょう。
個人的に有用だと思う転職サイトは看護のお仕事ですので、参考にしてみてください。サイトは無料で利用できます。
転職に関しては、こうしたサービスを活用すると、失敗リスクは格段に少なくなるとは思います。
さいごに
どうでしたか?ここまでが、「看護師の転職で失敗した5つの理由と転職成功への方法とは?」となります。
転職は「失敗した。。。」って、気付いても、直ぐに退職することができないものです。
まさに後悔後先に経たずです。
だからこそ紹介した事例や方法をもとに落ち着いて仕事を探してください。
きっと満足できる仕事に出会えるはずです。
最後に筆者のお世話になった転職サイトを載せておくので、転職に悩んでいる方は是非相談してみてください。
あなたの未来が笑顔で満ちた充実した時間になるように願っています。
最後まで読んでくれてありがとうございました。